おもちゃばこ。

にゃんのひとりごと。マーケティングリサーチ業界で気ままに生きています。

Tableau DATA Saber 認定制度の振り返り

2020年4月〜6月の3ヶ月間、Tableau DATA Saber 認定制度に挑戦していました。*1

先日、無事にDATA Saberに認定されましたので、本記事では90日間の振り返りや、新しい挑戦者に向けた宣伝をやってみようかと思います。

 

DATA Saber 認定制度

要するになんなの?

"DATA Saber"は、定められた90日間のプログラムを完走することで、Tableauユーザーの先達から次世代のユーザーに与えられる「称号」みたいなものだと理解してます。

詳しくは下記の記事をどうぞ。

sakumaga.sakura.ad.jp

「何を」示す称号なのか?

DATA Saberのページによると、下記のような人たちです。

DATA SABERの持つ力
DATAにまつわる包括的な知識と技術力、ならびにData Driven Cultureを広める力の双方を高いレベルで兼ね備える。

Tableauに関する知識・技術だけでなく、Data Visualizationそのものに対する感性や、組織のデータ活用を推進するにあたっての心構えについても試されます。単にTableauの知識だけでない点がTableauの公式資格との違いですね。

参加資格

参加には、期間中メンター(& 最終ジャッジ)を引き受けてくれるDATA Saberの”師匠”を申請時に登録する必要があります。社内に師匠がいれば話は早いのですが、そうじゃない場合はTableauユーザー会やネットの海から、師匠を引き受けてくれる方を探してくる必要があります。

DATA Saberに興味のある方は業務上Tableauアカウントを持ってる方がほとんどだと思いますが、有料のTableau Desktopアカウントを持っていなくても、無料のTableau Publicアカウントさえ作れば、90日の試験期間中は(一部を除いて)なんとかなります。*2

後は90日間やり抜く覚悟があればOKです。

始めたきっかけ

建前

・Tableauの各種機能について体系的に学んでこなかったから。*3

・社内やクライアントのデータ活用推進に携わる機会があるけれど、
 これまで、なんとなくのノリと雰囲気で乗り越えてきてた。
 が、転職したことで寄って立つ”勝ちパターン”が機能しなくなった。

本音

Tableauの学習リソースを探していたら、たまたまDATA Saberのサイトに行き着く
⇒師匠とApprenticeに、たまたま偶然知ってる名前があったので連絡を取る
⇒転職先での仕事が落ち着いてからのんびり始めようと思っていたら、
 コロナで在宅勤務だったこともあり「始めるなら今だよ」って言われる 

90日間なにやってたの?

Ordeal(課題)を解く

全10個の課題に、それぞれ全問正解しないといけません。でもどこが間違えたか分からないので、通算17回くらい再提出した課題もあります。

・自力で問題を解く
・間違えてたところを見直して再提出
・どうしても分からなかったところは KT channelを見る
・全問正解したら、改めてKT channelを見る
・KT channelを踏まえて、改めて問題を解きなおす

というのをやっていました。最終的に、全問正解したあとでさらに3周くらい、特に内容を抑えておきたい問題は5回くらい解いたと思います。


DATA Saber Boot Camp Week1 "HandsOn - Fundamental"

社内でTableauを使う

「これからTableauとか活用してみよう」という雰囲気の部署だったので、使えるタイミングで積極的に使っていきました。

図らずも、試験期間中に偉い人にBIツールの価値を説明するようなプレゼンをする機会にも恵まれました。下記のツイートはそのときの一コマです。*4

社外でTableauを使う

Makeover Mondayや、Workout Wednesdayといったコンテンツに挑戦しました。ぼくの感想は下記のとおりです。Makeoverは”表現”を、Workoutは”技術”を学ぶコンテンツだということにようやく気が付きました。

COVID-19に関するVizの作成・公開もポイントに加算される仕組みだったんですが、COVID-19については可視化に耐えうる真っ当な”統計”が無いと認識しているので、このデータを可視化して何かを伝える勇気はぼくには無かったです。

Tableau / Data Visualizationへの知見を広げる

TableauのWhite Paperを読んだり、Data Visualizationに関する本を読んだりしました。

『データ視覚化のデザイン』は、単なるVisualizationだけでなく、活用されるダッシュボードという視点で書かれていて非常に参考になりました。

最終試験を受ける

詳細を書くと早速破門させられるらしいんで割愛しますが、データで伝えることに対する感覚と覚悟をいかに言語化できるかを試されているなあと感じました。

二つ名を考える

DATA Saber認定後に自分で自分の二つ名を考えて申請する必要があるので、最終試験の日程決まったくらいから考え始めていました。世界征服を影で企んでそうな二つ名にしました。

学んだこと

Tableauの基本的な操作スキル

パラメーターとかセットとかLOD表現とか、名前は全部聞いたことはあったものの、必ずしも使ったことがあるわけでもなかったので、主な機能を具体的な使い所と一緒に一通りちゃんと使ってみるという点では非常にいい機会でした。

「え、そんなことできるの!?」的な驚きもいっぱいありました。

"ビジュアライズ"に対する意識の持ち方

メッセージに対して最適なビジュアライズが出てくるのはその通りだと思っているんですが、この世の中の”ビジュアライズ”を強みだと思っている人は、その逆パターンの頭の使い方ができて、つまりビジュアライズ起点で伝えられるメッセージの微細な空気を感じ取り、それを言語化できているんだな、と。

これから業務で起こるであろうことへの心構え

運のいいことに、これから社内でBIツールを活用したデータ利用の習慣を作っていくようなことを業務の一つとして挑戦できる機会がありそうです。自分自身も、そういうフェーズに面白さを感じています。

そのときに指針となる哲学、別の表現で言えば”寄って立つもの”として、DATA Saber制度で触れた知識・事例・考え方は非常に心強いものになるんじゃないかと思っています。

これからどうするの?

さしあたって、下記の3点ができたらいいなあと思います。

お仕事で楽がしたい

仕事柄、”レポートファクトリー”の実際を目にすることが多いのですが、裏を返せばBIツール導入による効果が見込みやすい環境でもあるんじゃないかなと思います。

効率的なデータ活用の業務フロー整備に着手できる、なかなか面白いフェーズに携わらせて貰えそうなので、”とらでぃしょなるかんぱにー”に「ぼくのかんがえたさいきょうのでーたかつようそしき」の箱庭を作ってみたいなと思います。

でもって以降はその貯金で3年〜5年は昇給/昇格要件満たし続けたいです()

社内に味方が欲しい

とはいえ社内でいろいろと動いてみようにも、ポジション的にも社歴的にも吹けば飛ぶような存在なので、社内でも影響力のある人をDATA Saberに引っ張り込みたいです。

Tableau Desktopアカウントを持っている人は社内にそれなりに多く、かつこれからも増えそうな見込みですので、その方々に自分の顔を売るところから始めたいです。

”業務”以外のチャンネルを開き続けていたい

「社内のデータ活用文化」って、下手をすると個社に最適化されたガラパゴス的進化を遂げてしまいがちで、ある段階では画期的でも、そのうち時代の変化についていけなくなることも往々にしてあるんじゃないかと思います。

折角なので、他のTableauユーザーさんや、他社のデータ活用事例を吸収し続けるきっかけになればいいなって思っています。

Apparentice, 募集しています

ということで、ぼくもDATA Saberに挑戦する弟子(Apprentice)を取って良いらしいです。折角ですし、ぼくが社外のTableau userの方々と繋がりを持ち続ける機会として活用したいなと考えています。

師匠としてのぼくのアピールポイントやスタンスは下記の通りです。

  • 社会人生活をずっとマーケティングリサーチ業界で過ごしています。*5
    特に購買履歴データ、メディア接触ログを扱ってきました。
    経歴の前半50%はリサーチャーとして集計・分析・報告を担当し、
    後半はBI・DMP領域30%、データ品質管理10%、営業支援10%くらいの内訳。
  • マーケティングリサーチャーというお仕事へのスタンスとして、
    ”クライアントのtask"として請け負っているうちは二流だと考えてます。*6
  • 仕事柄、企業のマーケティング・営業部門などのリサーチを活用する方や、
    クライアントから分析業務を受諾する職務の方と業務内容が近いかもです。*7
  • 顧客企業向け/自社向けのダッシュボード作成・導入、
    ともに関与した経験があります。そんなに場数を踏んでるわけではないですが…
  • ”神憑り的に美しいViz”や、”天才的なTableauテクニック”よりも、
    ”クライアント/社内で活用されるダッシュボード”のほうに関心があります。
  • チャットツール等、テキストベースのフォローが中心です。*8
  • DATA Saberの価値の半分以上はヒトにあると思っているので、
    試験期間中、ぼくの師匠や兄弟弟子のみなさまとも交流できる機会を
    何かしらのかたちで設けられたらなあ、と考えています。

DATA Saberに挑戦してみたく、かつ上記のアピールポイントにビビっときた方は、ぜひぜひ Twitter までお気軽にご連絡くださいませ。

※2021-01-11現在、社内・社外あわせて3名の後輩DATA Saberを世に送り出した育成実績があります。

おまけ:ちゃんとした方による体験記

真っ当な体験記もご紹介しておきます。期間中、ぼくは何度も読み直しました。

【参加レポ】DATASaber認定制度|Tabjo Official|note

「DATA Saber認定制度」のふりかえり - SIS Lab

DataSaberまでの道(‐1日~90日)|FUMIKA|note

*1:昔は”JEDI”と呼ばれていたものだといえば、多少は噂を聞いたことがあるかもしれません。

*2:一部:.twbファイルを読み込む設問群に回答するときと、最終課題ファイルの提出時です。前者は会社のPCで.twb→.csv変換して乗り越え、後者は最終試験の前日に2週間体験版をダウンロードして乗り切りました。

*3:なぜそうなってしまったかを考えると、前職への怒りと情けなさで生きるのが辛くなります。。。

*4:「費用対効果は?」って聞かれました。

*5:n年(n >= 3)

*6:今現在のポジションはリサーチャーではないんですけど、ね…

*7:もちろん、学生さん含め他業種・業界の方も(こそ)大歓迎です。

*8:家庭の事情につき、対面/ビデオ通話でのフォローは少なくなっちゃいます。すみません…